2021年03月11日(木)
震災から10年、今思う事・・・ご縁に感謝、全てにありがとうござます。
震災から10年、今思う事・・・ご縁に感謝
拝啓 残雪の下からフキノトウが芽をだし、梅の蕾も少しづつ大きくなってきています。朝の突き刺さるような冷気もなくなり、私たちの地域も春に近づいております。
皆様におかれましては、お健やかにお過ごしのことと思います。日ごろから世嬉の一をご支援ご愛顧いただき本当にありがとうございます。
さて、2011年3月11日からあっという間に10年が経ちました。私にとってはついこの間のような気がしますが、当時2歳だった娘に震災の思い出を聞くと違うようです。家族で蝋燭の下で輪になって食事をしていたことが楽しかった思い出として残っており、震災時の恐怖などは忘れているようです。その娘も来週には小学校の卒業を迎えます。
震災時、第一線で働いていた父母も世嬉の一を引退し、真っ白な髪の毛にかわり、孫のことで一喜一憂しております。
崩れていた石壁もヒビだらけの土蔵の白壁も、傾いていた大蔵も今は、100年前から変化がなかったようにたたずんでいます。
震災時にこの会社はどうなるだろうと不安でいっぱいだった私も、未来を見据え、スタッフと共に前に進めています。
この10年間を振り返ると、一時苦しかったかもしれませんが、幸せな日々を過ごせたと思います。様々な出来事に感謝の気持ちが次から次へと湧いてきます。
常にお客様から支えらていることを感じることができた日々でした。直接来られるお客様との会話、お手紙を送っていただくお客様、SNSなどにコメントを書いていただけたお客様のおかげです。この常にだれかとつながりを持てているという実感があってこそ、震災時の一種の孤独感は全く感じず、多くの皆様に支えられているという温かさを感じる日々でした。
さらに、お客様に紹介していただいた沢山の良い出会いをいただき、そのご縁で新しく出来た業態、商品、販売先、イベントなど、日々嬉しくなることや新しい発見がありました。皆様との絆を感じた10年間に改めて「本当にありがとうございます。」と申し上げます。
本当にありがとうございます。
震災時を思い出すとき、常に舩井幸雄先生の「過去オール善」という言葉が頭に浮かびます。「過去に起こったことをすべて肯定しなさい」という意味ですが、震災直後には全くそう思えませんでした。
しかし、この言葉をよくよくかみしめてみると、「過去オール善」という意味は、未来の自分から見て「過去にこのことがあったから、”今”があると思える行動をする」、すなわち「今」という時間を大切にすることが大事だということだと分かりました。
現在は、コロナウィルスの影響で当社もなかなか厳しい情勢ではありますが、この「過去オール善」という言葉をかみしめ、10年後に今を感謝できるようにしたいと思っています。また、震災時とは違って、10年間の皆様とのかかわりの経験が、やる気と希望を充実させてくれています。(少しやせ我慢でもありますが・・・)
世嬉の一は、まだまだ成熟していない会社です。その分チャレンジ精神が旺盛で今後も新しいことにチャレンジしていきます。重ねてこの10年間の皆様とのご縁に感謝いたし、御礼申し上げます。本当にありがとうございます。今後ともなにとぞよろしくお願いし致します。
敬具
令和3年3月11日
世嬉の一酒造株式会社
代表取締役社長 佐藤 航
Posted by sekinoichi at 08:22