2020年03月11日(水)
震災から9年目を迎えて、皆様への現状のご報告と感謝の思い
震災から9年目を迎えて、皆様への現状のご報告と感謝の思い
いつも世嬉の一酒造をご愛顧いただき本当にありがとうございます。
新型ウィルスの影響で苦労されている方々、大変な思いをされている方々にお見舞い申し上げます。いろいろ大変な世の中ですが、よりよい未来に向かって進めるよう今を大切に共に生きましょう。共に頑張りましょう。
さて、東日本大震災から9年目に入りました。震災時に家内のお腹の中にいた次女も小学低学年。幼児だった長女も小学校高学年になっています。長女は震災時の事を覚えていますが、怖さよりいつも家にいなかった私が家族と一緒に蝋燭の明かりの下で食事をすることが嬉しかったという思い出が強いようです。二人とも今は元気に過ごしております。
世嬉の一酒造も新しいスタッフが入社し、どんどん進化していっております。
9年前は、日々瓦礫の片付け、沿岸被災地の支援、炊き出しと忙しくも、明日はどうなるのだろうと漠然とした不安で押しつぶされそうでした。現在の世嬉の一は、新しい事にチャレンジする会社になっています。当時このようにチャレンジできる状況になるとは夢にも思いませんでした。
震災時、家族の幸せ、スタッフ達の幸せを願い、お客様に支えられ、目の前でできる小さな事をただただ行っていました。また、それしかできませんでした。そこから、多くの仲間や多くの客様から様々な情報を頂き、学び、その時をすこしづつ改善し、今があります。
震災当時12名のスタッフも今は26名、来月は地元の高校を卒業したスタッフが2名入社してきます。パートアルバイトさんも含めると44名の会社になります。すべてがすべてうまくいっているわけではありませんが、新しいことにチャレンジしつつスタッフ一同元気に過ごしております。
このような状態になったことに本当に感謝しかありません。ありがとうございます。
私自身、大きな目標や大きな野望をもって生きている経営者でもないのですが、震災の時に、ある経営者からいただいた詩が支えになっておりました。少し紹介します。
「遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う まして春まきて秋実る物においてをや 故に富み有なり 近くをはかる者は 春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず 唯眼前の利に迷うてまかずして取り 植えずして刈り取る事のみ眼につく 故に貧す 二宮尊徳」
この詩を机の上に置き、毎日見ております。震災でお世話になった人たちへの感謝の思いを心に刻み、お客様のため、地域のため、スタッフのために新たな苗を植え続けたいと思います。
また、私たちは震災の際に、譲り合いや共助の心で生き抜いてきました。そこには日本人としての温かさ、力強さ、心の豊かさがあったと思います。昨今のウィルスで、悲しいニュースが聞こえてきますが、世嬉の一スタッフは『咳する人がいたら「大丈夫ですか」と言ってかけよることのできるような心』を持ち続けたいと思います。
まだまだ頼りない世嬉の一ですが、今後ともよろしくご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
今日も世嬉の一スタッフ一同、元気に過ごしております。繰り返すようですがこれも皆様が支えてくれたおかげです。本当にありがとうございます。
末筆となりますが、皆様のご多幸とご健勝をお祈り申し上げます。
令和2年3月11日
世嬉の一酒造株式会社
代表取締役社長 佐藤 航
追伸 今年は一関でも梅の花つぼみが大きくなってきております。皆様にとってやすらかで素敵な春になることをあわせてお祈りいたします。機会があれば世嬉の一に遊びに来てください。
Posted by sekinoichi at 09:38