2017年03月11日(土)
震災から6年がたって ~感謝と決意~
震災6年目を迎えて ~感謝と決意~
東日本大震災から6年が経ちました。あっと言う間の6年間でもあり、つい先日ような気もします。
この6年間、世嬉の一は多くのお客様、お取引先様、世嬉の一に関係する皆様に支えられて過ごしてきました。おかげさまで世嬉の一酒造は、今日も元気に営業をつづけることができております。本当にありがとうございます。
震災時は、未来に対して不安と恐怖が大きく、心がちいさくなっていた時、故船井幸雄先生の言葉「過去オール善」という言葉を思い出しました。「過去に起こったことを肯定して生きなさい、未来の自分から見て現在が未来のために良かったと言えるように生きなさい」という意味です。
さらに、震災の際には多くの人たちのご支援を頂いたことで、私たちは人の心の温かさ、人のすばらしさを大きく感じることができました。それは、私たちに勇気を与え、生きていく力、すばらしい未来を想像できる力をいただきました。
おかげで、今もその言葉を心に留め、30年後の自分達が「あの震災のおかげで苦労したけど、今の素晴らしい地域や自分たちがある」と言えるよう前に進んでいます。
この6年間は私たち世嬉の一が、がむしゃらに未来に向かって走ることができるのも皆様のおかげです。世嬉の一は、「お客様の幸せのため」「スタッフとその家族の幸せのため」「この地域が豊かになるため」という3つの指針で今日も走っております。
時々、急ぎすぎて失敗したり後悔したり、迷惑かけたりとドタバタな会社は相変わらず変わりませんが、この6年間多くの出会いがより良い未来に導いていただいているように感じます。
震災当時から変わらず元気に頑張ってくれているスタッフが沢山おります。すでに65歳は超えていても社員として世嬉の一の大きな戦力として頑張ってくれております。また、一度別な道に行ったスタッフも戻ってきて、共に頑張ってくれます。さらに、震災時にはまだ中学生や高校生だったスタッフも今は立派な社会人としてがんばってくれております。
当時、多くの方々から励ましやご支援をいただたことスタッフ一同忘れたことがありません。また、新しいスタッフたちにも事あるごとに伝えていっています。
あの時私たちが感じた、「人の心の温かさ」「人のすばらしさ」は私たち世嬉の一の大きな財産になっております。
世嬉の一を応援していただけるお客様、お取引先様、ご指導をいただける先生方、素晴らしい未来を考え学ぶ仲間たち、そしてこの6年間を共に世嬉の一を支えてくれたスタッフとその家族の皆様。多くの出会いが世嬉の一を前に前に進させてくれます。本当にありがとうございます。
皆様から頂いている多くのご恩はお返しきれないくらい頂いております。全て恩返しができないかもしれませんが、井上ひさし先生に教えて頂いた「恩送り(頂いたご恩を別の誰かに送ること)」の精神でこれからも世嬉の一は活動していきます。
私の机の上には震災時に当社の復興のために尽力していただいた経営者の方からいただいた二宮尊徳先生の詩を置いております。
遠きをはかる者は富み
近くをはかる者は貧す
それ遠きをはかる者は百年の為に
杉苗を植う
まして春まきて秋実る物においてをや
故に富有り
近くをはかる者は
春植えて秋実る者を尚遠しとして植えず
唯眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取る事のみ眼につく
故に貧窮す
私たち世嬉の一は、経営を行っていますのでもちろん目の前の事も大切にしていきます。ただ、その一つ一つの活動が今だけではなく、未来の地域や子供たちにとって少しでもより良い世界になるよう微力ながら努力していきます。
孫の世代、ひ孫の世代にこの地域や日本が少しでもよくなるよう、世嬉の一として努力していきたいと思います。
このような気持ちで6年目を迎えた今年もまたちょっと無理して頑張ろうと思います。
多くの支えて頂く皆様に感謝しつつ、いまだ震災の影響で大変な思いをしている方々が少しでもよくなるようお祈りいたします。
最後に、この地域が世界の中で魅力ある地域になるよう、ここに住む一人として努力し続けたいと思います。皆様今後とも世嬉の一をよろしくお願いいたします。
本当にありがとうございます。
平成29年3月11日
世嬉の一酒造株式会社
代表取締役社長 佐藤 航
Posted by sekinoichi at 05:31