世嬉の一酒造

蔵元だより

大吟醸 世嬉の一 720ml

カテゴリー:ビール

2020年06月14日(日)

攻めの経営 その5 協力することで新しいことが生まれる?

今日も暑い日になっていますね。野草もきれいに咲いています。
さて、攻めの経営その後5ですが・・・相変わらず読み返しても攻め?という感じではありません(笑)
今日は協力することで生まれること、相変わらず当社の資産を活かしたらという感じでした。

きっかけはZOOM飲み会。ZOOMで飲み会の際にブルーパブが大変だという話からでした。たまたま参加していた私とたまたま参加していた遠野醸造さん。遠野醸造の袴田さんから当社で瓶詰できないかと相談を受けたました。
当社では通常瓶詰用のタンクから直接つなぐボトリングマシーンと創業時期から使っている手詰めの瓶詰機があったので、樽を持ち込まれればボトリングできたからです。

当社にとって手間ばかりかかって大変ですが、他社をお手伝いできるのであれば・・・ということでまずはやってみました。

遠野醸造の袴田さんと太田さんと

手詰めによる瓶詰風景。

これにより、遠野醸造さんがボトル商品を販売でき、すぐに完売したそうで、ご協力できてよかったです。


この経験から様々なものが生まれていきます。この経験をお伝えすると・・・ある造り酒屋さんから頼まれ、リキュールに炭酸を入れてボトリングできないかということでした。もちろん可能ですのでそのリキュール炭酸入りのボトリングを行いました。その蔵さんではその商品かなり売れているそうです。

そして、そのようなことをやっていた時に、思いつきました。やはりブルーパブの仲間がこまっているのでは???とそこで、東北魂ビールPJで瓶詰機をもっていなかった会社にお声をかけ、当社でボトリングして当社の商品とセットで販売しても大丈夫?とお聞きしました。
ぜひぜひ!という話があり、すぐにあと3社に声をかけまさかの4社ビール飲み比べセットという商品ができました。

何か動いていると・・・様々な出会いとアイディアが生まれてきますね。

そこで、今回できた商品が東北4県のみ比べセットです。各県のビール会社からビールを樽で送ってもらい、それをボトリングしてセットにしました。

当社で最終工程を行っているので加工者という名前でラベリングはしています。醸造は各県でおこなっています。


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これの目的は、もちろんボトルビールを出していない会社の手助けにもなりますが、各社美味しいビールなので、アフターコロナで東北にきたい、もしくは東北のブルワリーを回ってみたいと思われる方もいるかもしれません。

地道な努力ですが、地ビール時代もこのようなことをどんどんやっていました。

新しい時代になるにつれ、自分たちだけでなく共創でなにかできるとお互いにより良いことが起こるのでは・・・という思いまです。

三方よしになればなおいいので、このような商品をつくりました。

一つ、今回のブルワリーの選定でちょっとあちゃーと思ったのは華がないなぁ・・・なんとなくおっちゃん5って感じがします。
東北人ブルワリーらしくみんな真面目が取り柄ですからね。

ビールも素直なスタイルが多いですよ。
今日も世嬉の一は競争ではなく共創で元気に営業中です。

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今年で最後になってしまう、こはるホワイトエール
通常4400円のセットを3500円で限定200セット販売します。
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Posted by sekinoichi at 05:00

2020年06月12日(金)

攻めの経営その4、今必要なものとこれからあるといいもの・・・

本日も蒸し暑い一関市。まさかの30℃越えにびっくりです。その分、草取りした敷地内の野草もすぐに目を出して光合成を盛んにしています。世嬉の一の酸素濃度高いのではないのかと疑問に思うほどです(笑)
ふと見ると、ドクダミの白いかわいい花が咲いています。かわいいとおもって群生しているのをみると好きなのですが、生命力が強すぎるので他の植物を思うとやはり取らないと・・・

さて、攻めの経営と記載していまずが、本来は小心者の社長ですのでそれほど大したことはしておりません。今ある、当社の設備、資源、ノウハウを何に活用したら・・・と考えるので特に新しい投資はしていないのですよね・・・

今回の世嬉の一の取り組みは消毒液づくり・・・

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4月中旬頃、新型コロナもピークの時期に厚生省から高濃度アルコール飲料を消毒液に使用できる旨があり、酒造会社にもその製造を許可する内容の通知がきました。今足りなく、世の中で必要とされるもの・・・
私たちはすぐに所轄の税務署に相談しに伺い、当社でも製造できるかお聞きしました。可能とわかると所轄税務署様、所轄消防署様、所轄保健所様の協力もあり、すぐに蒸留免許も取得、4月末には体制を整えました。

多くの酒造会社とくに日本酒メーカーもこの取り組みに手を挙げておりました。私たち、酒造メーカーは本醸造などを醸造するときに醸造用アルコールを使用します。この醸造用アルコールに加水(割水)すると、すぐに消毒用77%、66%などの消毒用アルコールが出来上がります。これだと、今足りない方にすぐにお渡しできますし、ボトルとラベルを発注すれば大丈夫なことになります。

ただ、私どもは、5%のビールを蒸留して65%の蒸留酒をつくることを選択しました。当社は500lの蒸留窯、300Lの消毒液をつくるのに4000Lのビールを蒸留3回はしないといけません。ですので、15回以上蒸留工程をおこない、やっと300Lの消毒液が作れます。

蒸留するにも1週間くらいスタッフの仕事になります。

なぜこんな面倒なことをしているのか・・・・

一つは、すぐに消毒用アルコールは世の中にいきわたるのでニーズがなくなると思っていました。案の定、今多くのドラッグストアなどで消毒用ジェルが見えるようになりました。

二つ目は、酒税をかけないため、飲めない商品になっておりますが、当社は食品メーカー。飲めない商品だからといって適当な造りはしたくなかったのです。万が一口に入っても美味しいとまではいかなくても安心できるそれでいて殺菌効果があるアルコール度数にしたかったのです。

三つめはスタッフの技術向上です。消毒用アルコールは来年は販売できません。この1~2か月の稼ぎのためだけでつくっていたら未来がないのです。今回、手間暇かけて蒸留することで、蒸留技術と経験が積み重なり、クラフトジン(今は必要ないかもしれませんが、今後あったら嬉しくなる商品)に展開できる可能性が大きいのです。

予想通り、スタッフたちは面白がって蒸留の温度、減圧方法など調べています。

ビール部門の専門スタッフを蒸留スタッフに任命!

二人は、さっそく、様々な食材がジンにならないか実験しています。例えば、この地方でとれる黒文字(つまようじにする木)です。これを蒸留にいれるとレモンのような香りになります。

様々な実験を行いつつ、未来を見据えます。

今必要な消毒用アルコールを蒸留しつつ、未来を見据えて楽しむ。世嬉の一の「大きな努力で小さな成果」を求める姿勢です。

本日もスタッフがビールを一生懸命蒸留しておりました。

私たちの消毒液は世界遺産の中尊寺さんの消毒にも使用されております。

今日も世嬉の一は今と明日をみつつ元気に営業中です。



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Posted by sekinoichi at 06:55

2020年06月09日(火)

攻めの経営その3、新事業「クラフトコーラ」作っちゃいます。

真夏の暑さの一関。30度こえちゃいそうです。しかし、蔵の中にある事務所はクーラーなしでも快適に過ごせます。
さて、攻めの経営と書いていますが・・・そんなには攻めていないですね(笑)
今回は、クラフトコーラ事業について書きます。実は10年前から考えていて、取り組んでは既存事業が忙しくなりペンディングになっていた事業です。
せっかく新型コロナウィルスで時間をいただいているのでこの事業を復活させようと再度取り組みました。

クラフトコーラって何?って感じですが、その名の通り、清涼飲料水「コーラ」を地域の食材を使用して醸造?製造?しようということです。

基本技術はすでにできています。今の工場長に教えて再度開始した次第です。

クラフトコーラの名前は「こはるコーラ」。一関産小春二条大麦を使用して醸造する自然の素材だけを使用して醸造しようというのがいわて蔵ビールのクラフトコーラです。

10年前に瓶までつくり製造しようと思っていました。・・・が本業(いわて蔵ビール)が忙しくなりそのままです。
こはるこーらの誕生のきっかけは、やはりビールです。地ビールに地場産麦芽を使用しようとプロジェクトが生まれ、数年がかかりで実現しました。

実現したわかったこと3つ。
1.地場産麦芽だからといってビール醸造の品質に大きく貢献できない。
これは、日本はビール用大麦(特にクラフトビール用の大麦)の品種改良が世界的に遅れていて、タイ米で寿司を握るような感じで、米はあるけど寿司用ではない。地場産麦芽はつくれたけど必ずしも高品質ではない。

2.農家さんにとって貢献できない。
実はビール用大麦は転作作物に指定されないようで、米の代わりにつくっても補助金がでない。日本の麦の生産は補助金なくして成り立たない(外麦がかなり安いため)そうです。ビール麦はその範囲からはずれているそうで、農家さんが作っても高級ビール用麦になって価格が合わなくなります。

3.まさかの担当農家さんがお酒が飲めない!
なんと、小春二条大麦を生育している舞川アグリパークの小野さんがお酒が飲めないと判明!!!えーーーーとなりました。

それで、10年前にでは大麦を使用して何かつくれないかと思っていた時、砂糖を一切使用せず、自然由来だけの美味しいコーラ作れないかなぁ・・・と思い開発しました。

2008年に育った小春二条大麦

麦芽制作を当時のスタッフとやっていました。

2008年には私がまだ工場長だったので、ビールと同様に麦芽を糖化してコーラづくりを行っていました。

座敷童ちゃんお姉ちゃんも生まれたばかりでこはるこーらを飲ませてみました(笑)

コンセプトは、砂糖不使用、身体によい地コーラでした。

今回、復活するにあたり、ビール工場には性能の良い瓶づめ機、遠心分離機、パストリゼーションの機械、ラベラーなど充実しました。そこで、以前よりよりよい商品づくりができます。

そしてラベルデザインも依頼しておりました。

まだおみせできませんので加工したものをお出しします。

いい感じですよ・・・これだとわからないけど・・・

そして、先日1回目の食品分析が届きました。

当たり前ですが、分析の結果もOK!あと数か月ごとに調べ、賞味期限を決定させます。

着々と準備をしています。コロナになったから気持ちだけは負けないように今できることを楽しんでやろうと思っています。

きっと「こはるこーら」がサービスエリアや道の駅といった、いままでいわて蔵ビール、清酒世嬉の一が置くことができなかったところで販売できるようになると思います。

「こはるこーら」は9月頃発売予定です。
スタッフたちとクラフトコーラでどんどん面白くなるのでは・・と夢想しています。

今は当社にある資源をフル活用し、今までできなかったことをどんどんやっていこうと思います。

世嬉の一酒造は、今日も元気にコロナに負けないよう営業しています。

追伸:明日(6月10日)岩手朝日テレビ Jちゃん岩手で情熱いわてで紹介されます。18:15分頃です。市橋 里音奈アナウンサーありがとうございます!

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Posted by sekinoichi at 04:34

2020年06月07日(日)

攻めの経営その2、いまさらピルスナー製造!?

天気の良い世嬉の一。岩手は朝夕は風もあり、涼しいのですが、昼間は25℃~29℃。夏日ですね。

さて、カフェの新オープンの準備につづいてビール部門も常に新しいことに取り組んでいます。消毒用アルコールのための蒸留やそこからクラフトジンをつくる取り組みはそれにあたるのですが、もっと根幹的にチャレンジしようと後藤工場長と話しておりました。

そこで、他社の技術者を呼び、ご指導をいただき当社でもピルスナーづくりにチャレンジました。これを聞くと、あ、新しいビールをつくるんだという感じですが、僕らにとっては大きなチャレンジです。

・・・というのは、私たちいわて蔵ビールは、地域の良さを伝えるというコンセプトでエールビールを醸造しているビール会社です。エールビールとは、上面発酵ビール、室温に近い温度(20℃~22℃)くらいで発酵させることで、ビールの香り成分(エステル)を多く出し、香りと旨味で飲むような濃いビールです。

一方、ピルスナーは世界でもっとも飲まれるビールタイプで大手さんも醸造しております。下面発酵ビールと言われ、低い温度(9℃~12℃)程度で発酵させ、ゆっくり熟成させるビールです。のどごしと爽やかさが売りのビールですが、その分、余計な香りなどがなく繊細なビールです。

一見同じビール醸造でも大きく違います。Windowsを使っていた人が急にMacを使ったり、右ハンドルの車を運転していた人が左ハンドルの車を運転するような感じです。

今回、新型コロナウィルスで遠くからお客様がご来店できなくなり、知事も岩手県で経済を回そうといい始めました。もともと人口少なく、所得の低い県でずいぶん無理難題言う人だなぁと思っていましたが・・・超ローカル志向はやはり必要かとも思います。

そのため、いままではキャッチなビールを醸造しておりましたが、今回、超オーソドックスな「ピルスナー」に挑戦しようと思い、醸造しました。

県外の技術者(すでに20年以上ピルスナーを醸造している職人)と話をし、ジャーマンピルスナー(ドイツタイプのピルスナー)を作ろうと決めました。

ホップも古くから使われているザーツホップ、ファインアロマホップと呼ばれていますが、今の流行のアメリカンホップと異なりおとなしいきれいな香りです。

モルト(麦芽)も一種類、ピルスナーモルトを使用します。

醸造工程も一つ一つ見直し、丁寧に作ることのみを追求していきました。

一度、エールビールのビールブランドだということ、岩手の味をしってもらうんだということなど様々なこだわりをいったんなしにし、一醸造所としてもう一度チャレンジする体制を作ろう!と思い、それがピルスナーづくりにつながっております。

後藤工場長もいつも以上に神経を使い醸造していました。また、細かいところ、麦芽と水の割合や酵母の種類など初めてのことだらけで本当に挑戦でした。

おかげさまで、仕込はうまくいき、発酵も順調に進んでおります。これから発酵管理や熟成などまだまだ調整に苦労しますが、このように苦労していくことで、アフターコロナで経済がすこし順調に回り始めた際に力を発揮すると思います。

また、このビールを醸造することでいわて蔵ビールの底上げにもなっていくと思います。

このピルスナーですが、基本地元に根差そうと思っており、ビールの名前も決定しました。「ピルスナー 蔵シック(Classic)」です。一見かっこつけているようですが、単純に駄洒落ですね(笑)

販売も通常のボトル販売の前に、地域の人が通い瓶で買えるように考えました。昔は日本酒は通い瓶で売っていたそうです。酒屋に徳利をもっていって入れてもらったそうです。そのような形で、常に新鮮な樽生ビールを地域の人に注いで家で飲めるように「蔵ウラー」も創ります。

新しい売り方ですが、どんどん挑戦していきます。

ピルスナー蔵シック 各ボトル500本限定で販売する予定です。

お客様が笑顔で当社にビールを蔵ウラーをもって買いに来てくれることを夢見ております(笑)

これからも挑戦し続ける会社でありたいと思います。

今日も世嬉の一は新たな挑戦で元気に営業中です。

#蔵ウラー
#ビールで明日を幸せに

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Posted by sekinoichi at 11:31

2020年06月02日(火)

まさかの商品も創ってみました!

世嬉の一の夕方はとても賑やかになってきました。カエルの大合唱が聞こえます。日中は小鳥のさえずりがにぎやかです。人が少ないから余計小動物が集まっているのでしょうか・・・

さて、そんな中、まさかのというか、おきて破りというか商品を作りました。自社商品だけでなく他社の商品もセットにしたビールセットです。

4社のビール会社で協力して各社の良さを伝えていこうという取り組みです。
なぜこのようにしたかというと、実はビール工場を持っていても瓶詰め機械を持っていない会社があります。例えば、宮城県のアルゴンブルーイングさん。

最近創業したビール会社ですが、彼らはビールを作り、自社のレストランでの販売がメインです。しかし、お客様が来なくなりビールがなかなか出ない・・・
一部のビールメーカーは泣く泣く廃棄しているところもありました。

そこで、当社でボトリングすることで、少量のセットですが販売できないかと考え、4県セットをつくりました。

最終加工は当社ですので、加工者と記されていますが、それぞれのメーカーで醸造したビールです。

東北のおいしいビールをぜひこの機会にご堪能ください。
私たちもいわて蔵ビールを運営していて、初めて他社生産のビールを販売しますが、東北の良さを感じてくれれば幸いです。

購入はこちら

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Posted by sekinoichi at 04:07