世嬉の一酒造

蔵元だより

大吟醸 世嬉の一 720ml

カテゴリー:蔵に関して

2022年06月27日(月)

酒蔵復活プロジェクトが生まれるまで 其1~蔵を残し、活かす~

この写真は、三代目の父と母です。
倒産の危機の酒蔵をなんとか生き伸ばし、今の世嬉の一の土台をつくったのがこの二人です。

私達は、今父母と私が念願だった、酒蔵復活、地酒復活プロジェクトがスタートしました。

私が生まれたころ祖父が酒蔵を経営しており、父は祖父がスタートさせた新規事業である自動車学校を運営していました。時代は第二次ベビーブーム、自動車学校は順調に伸びていったのですが、酒の販売はどんどん衰退していったようです。

私が小学校の時、日々奔走していた祖父が脳溢血で急逝してしまいます。
その際、父と叔父が世嬉の一の決算をみたら、とっても経営できる状態ではなかったようです。具体的な金額はおいておきますが、年商の10倍の借金をしていたようです。

当然、父も叔父も酒屋は廃業、バブル期だったこともあり、この地を貸してほしいという企業がたたあったそうです。敷地が1500坪以上あるので、スーパーやシティホテルなどいい話が沢山あったようです。その際の賃料を聞くと非常にいい条件だったと思います。

父も叔父も酒蔵を廃業して蔵を壊し、土地を貸す予定だったそうです。

そんな中、祖母が「蔵を残してほしい」この蔵の風景を残してほしいと父に願い出たそうです。

借金も多く酒も売れず、地域からは来月倒産するといわれている蔵を残す・・・当時私がいたら絶対できない判断です。「しょうがないでしょう・・・」と言ったと思います。

しかし、父も「もったいない・・・経済的には蔵を壊し廃業するのが正しいけど、心が痛む」と思ったそうです。

そこで、何を思ったか、好調だった自動車学校を売却し、その資金で運転資金と借入金返済のめどを立てたそうです。周りからは、気違いだとか、金持ちの道楽といわれていたそうです。さらにやっぱり来月にはつぶれるらしいぞという噂があったそうです。

父もしばらくの運転資金はあったとは言え、酒の収入では厳しいのと、当時もう倒産するといわれている酒蔵だったので、どの酒屋さんも卸屋さんも取引してくれなかったそうです。

そこで、酒の醸造を共同醸造(他社と一緒に醸造する形)に変え、蔵をそのままに直売所、酒の民族文化博物館、レストランに改築しました。

計画的にというわけでなく・・・

直売所にしたのは、取引先がないので自分で売るしかなかった。

レストランは、借金を返済するのに日銭商売をするしかなかった。

博物館をつくったのは、地域に博物館がなかったからだそうです。

今見ると綺麗になっていますが、創業当初の蔵の外観はそのままです。蔵を残し活かしたのは、この蔵を設計したのが、小原友輔さんという方で、あの東京駅を設計した辰野金吾さんのお弟子さんの蔵だったのです。周りからは当時ずいぶん冷ややかな目で見られていた父母でしたが、数年後に国の登録指定文化財に指定され、残してまちがっていなかったと感じたそうです。

いまでいう、リノベーションを行って順調にいったかというと全然そうではなく、製造業から慣れないサービス業になるのがかなり大変だったようです。

母は、専業主婦からレストランの女将になり、大変だったようです。中学、高校の時は父母とも一緒にすんでいたのですが、ほぼ家で会うことが無く、毎朝5時から夜中まで働いて生活していました。

当時は醸造再開などという余裕もなく、明日を生きるということ、借金を返すということに明け暮れていたようです。

ただ、一生懸命働く父母を見ていて、多くの助けてくれる人が表れ、レストランは郷土料理レストランに、直売所にも観光客を派遣してくれる業者さんなど、徐々に世嬉の一が持ち直してきました。町おこしも父母は一生懸命おこなっていたおかげで、地域の人たちからもだんだん認められるようになったそうです。

私が30歳で実家にもどるようになったときには、世嬉の一さんの息子さんといわれるようになり、つぶれるとは言われませんでしたが、それまでの父母の姿を思い出すと感謝しかありません。よくやっていたなぁと思います。

父は町おこしも一生懸命で法改正があった際に地域の経営者と地ビール事業を始めます。今の「いわて蔵ビール」です。最初の三年はよかったのですが、その後会社の大赤字部門になり結果私が実家に帰ることになるのですが・・・今は会社を支える部門に成長しました。

少しづつ経営が安定してくると、やはり酒蔵復活の思いがでてきます。過去なんどかやろうということになったのですが、その都度、宮城県沖地震、岩手宮城内陸地震、東日本大震災と震度5~6強まで経験し、蔵が壊れ、それを修復するのにまた借金と返済をくりかえしていました。ちょうど10年ごとに地震は来ますね( ;∀;)

(東日本大震災で蔵の崩壊に呆然とする三代目)

毎回、蔵を修復して維持するのに、祖母がもったいないといわれたからと言いつつ、なぜだろうといつも思っていました。蔵の修復には通常の建築より費用がかかるので・・・

父から会社を引き継いだ時、一つの約束をさせられました。「蔵を残しなさい。たとえ借金してでも残せるなら残しなさい、この蔵の風景は一関の景観であり、資産であるから。たまたま世嬉の一が維持しているだけなので、この風景を次の代、孫の代まで残せるようにしなさい」と約束されました。

確かに、私たちの蔵の前を往来する園児、小学生、中学生、高校生がいます。高校を卒業すると98%市外に出ていってしまう地域ですが、この蔵の風景を残すことが彼らの故郷の風景を思い出と共に残すことになります。

父母のそのような思いから地震の度に蔵の修繕を優先し、酒蔵復活、蔵元復活、地酒復活はのびのびになっていましたが、いつかやろうとおもっていたプロジェクトなのです。

今やっとスタートラインに立つことができ、多くの人から現在も支援していただいています。私も、父母もスタッフも嬉しく思います。

酒蔵が復活しても父から引き継いだ考えを実行していく場として清酒工場を活用していこうと思います。

私なりに引き継いだ考えは、下記の3点です。

「根本・長期・全体」でみる。

「根本:目先の利益にこだわらず、良心にいいなぁとおもうことを行うこと」

「長期:今だけでなく、子供の世代、孫の世代にとっていいことを行うこと」

「全体:自利ではなく、家族、地域にとっていいことを行うこと」

父母から教わったこととして、私個人の判断基準になっています。

今回の酒造り復活もこの3点からこの地域に必要なこととしてちょっと無理して実行しています。今後とも何とぞよろしくお願いします。

孫と楽しむ三代目

今日も世嬉の一は、三点の視点を大切に元気に営業中です!

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6月24日朝8時にスタートしました。お客様と清酒世嬉の一を通じてあらたな輪をつくりたいです。そして、酒蔵復活、地酒復活を達成します。
ぜひ応援よろしくお願いします。

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Posted by sekinoichi at 09:02

2022年05月11日(水)

40年ぶりの酒蔵復活に向けて、糀室つくっています。

今日も快晴の世嬉の一。座敷童ちゃん妹と今回の世嬉の一ファームは9割植え付けしました。

家庭菜園とは言えない広さと量になりました。多分、茄子40苗、トマト30苗、胡瓜30苗、唐辛子10苗、オクラ10苗、つるムラサキ 10苗、その他5苗くらいあります。

水やりとか、じょうろでやっているのでちょっと大変です。井戸水を二つのバケツで5往復くらい朝しています。正直雨降ることを願っている佐藤です。

さて、私の無駄な努力はさておき、順調に酒蔵復活のための工事が進んでおります。

5月9日より、糀室の工事をしています(ダジャレか!?)。今はパネル式なので、あっという間に形はできちゃうのですね。

1日目、部材搬入。

2日目、パネル組み立て

3日目、内装、外装の塗料吹付

ウォー楽しみです。

今年のお米ではお酒が仕込めるのではないでしょうか・・・

ちなみに、手前に見えるタンクは日本酒発酵タンク。ビールも創れちゃう、耐圧、密封、冷蔵タンクです。まだ立てていません。地震があると怖いので・・・

左側には、アメリカから缶詰機がきています。日本酒スパークリングや梅酒リキュール(スパークリング)に使用したいと思っています。

楽しみです。NHKあさドラ的にいうと「ちむどんどん」してきています。

まだまだかかりますが、40年ぶりの当地域での酒蔵復活にむけて今一生懸命努力中です。

みなさま、ぜひ楽しみにしていてください。

今後ともよろしくお願いします。

今日も世嬉の一は新たなチャレンジ向けて元気に営業中です。

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Posted by sekinoichi at 05:58

2022年04月26日(火)

スタッフとの勉強会は徐々に深い内容になってきています。理念研修

今日はちょっと曇りの世嬉の一。夕方には雨でしょうか?畑に水やりしなくても大丈夫とちょっとほっとします。2年前から芝桜を通りに植えてちょっとづつ増やしておりますが、徐々に増えてきているようです。色はもっと淡いのをきたいしていましたが・・・濃いなぁ~

さて、昨日スタッフたちと勉強会を行いました。定期的な会議と理念勉強会と経営ビジョン策定です。

実はすごく悩むのが経営ビジョン。世嬉の一って明確なビジョンをもっていそうで、こっちに行きたいと思うとそっちにふらふら~、やっぱこっちにと思うとこっちにふらふら~として経営しています。

スタッフたちとちょっと目的はより明確にしないとと思い、ここ数か月悩んでいます。

毎月ご指導いただいている岩崎先生にも下記のような記事を教えていただきました。

会社の経営理念に「幸せの創造」というのがあります。これは3つに分解され、お客様の幸せ、社員の幸せ、地域の幸せを創造する会社を目指しています。

2つ目の社員の幸せを考えると・・・やっぱり夢をもって仕事をすることだと思います。

100年経営していても過去の継続ではいけないと・・・ここ数か月勉強会です。

スタッフたちも結構なやむのですが、各人の意見を聴くと面白いです。学びになります。

スタッフたちからもどんな会社になっていたいか?していきたいか?どんな自分になりたいかなど、色々意見がでました。参考になります。

最終的に私がまとめますが・・・きっとコロナ禍の厳しい経営のおかげで世嬉の一はどんどん強くなると思います。そしてお客様に、地域に、スタッフや家族にとって必要な会社にさらに生まれ変わると思います。期待していてください。

ぜんぜん関係ないようですが、保育園の子供たちがお散歩に来てくれました。時々来てくれます。子供のにこやかな声はとても癒されます。いい空間にしていきたいものです。

今日も世嬉の一は学びながら元気に営業中です!

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Posted by sekinoichi at 06:08

2022年03月31日(木)

年度末は理念勉強会、先代から学ぶ

朝は雨模様でした。雨の中、梅の花はきれいに咲いています。 春ですね・・・

ちょっとつくしも出てきたようです。

さて、3月31日年度末。酒造業、観光業、飲食業だった私たちには、様々なチャレンジとハードルが次々きた時期だったなぁと思いました。

特に3月の地震は、これから春休み、マンボウ明け、レストラン売店部門のスタッフにはショックだったようです。 そんなかでも前を向いて日々過ごせるのは、スタッフに恵まれていたからだと思います。

年度末の今日は、毎月の全体会議と勉強会を行いました。
コロナ禍になり、時間ができその時間で行っているのが、掃除、新商品開発、勉強会です。

このコロナショックが終わったらスタッフと共に世嬉の一は生まれ変わっている!そんな会社になってくれればと思います。

さて、年度末の今日勉強したのは、第二創業者の妻(元 専務)の話です。
100周年記念で作った冊子を基に勉強しました。

はずかしながら、当社のスタッフは本を読む習慣がない子もいるので、100周年記念紙を造るとき、だれでも読めるカフェにおける冊子のようなものを造ってほしいとお願いして作りました。

こんな感じです。

この12pくらいの冊子を読んで、感想と自分の仕事にどう落とし込めるかということを話し合っただけの勉強会です。

ただ、その中に、世嬉の一酒造がこれまでどうやって生きてきたかなどがわかるような内容です。

部門違う人も一緒に話あい、今回はパートさんも入ってもらいました。今後、社員パートさん関係なくオープンな会社にしようと思っています。

いろんな話が出ました。とても参考になりました。

ただ、その中で元専務がすごい!という話で終わらないようにとも終わっていました。 当社は一代目が創業し(徳蔵さん)二代目が戦争や水害に立ち向かって経営し、ちょっと没落し、三代目が第二創業のように業態を開発し今の世嬉の一の基礎を作ってくれました。

そのため、感想が先代がすごいとなりがちなんですが・・・それだと自分たちに落とし込めない。

でもスタッフたちといろいろ話しているうちに、元専務の「気づく力」「学ぶ姿勢、探求心」「人との縁を大切にすること」この3つが素晴らしいという結論になりました。

「気づく力」元専務は、自然、季節、地域の力など様々なきづき、そして、観光客がよろこぶこと(その当時にはなかった郷土料理レストランという業態の開発、もち料理(もちをレストランで提供すること)など行いました。これはすべてお客様がどうやったら喜ぶかという気づきや地域がこうなったらよくなるという気づきからではないかと・・・

「学ぶ、探求心」は、わからないことはどんどん会いにいって学び、その方を巻き込み、そして疑問に思う、その繰り返しで新しいものを生み出していったということです。

「人との縁を大切にすること」様々な縁を大切にし、人との繋がりをよくしていく、その人々から気づきを得て、学びまた実行するということでした。

私達はまだまだですが、先代にすこしでも近づけるよう、そして世嬉の一らしさを大切にしながら、たらしいものを生み出せるように頑張りたいと思いました。

いい時間を年度末に過ごすことができました。

今日も世嬉の一は理念を学び元気に営業中です。

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Posted by sekinoichi at 06:51

2022年03月28日(月)

埼玉県飯能市に素敵な企業から学びを得ました。

DSC_2386

ちょっと前の事を書きます。 先週の中日に埼玉県飯能市に行ってきました。

新幹線が止まっていたので、夜行バスで数十年ぶりに乗っていきました。

実は以前も行こうと思っていたのですが、予定が合わず・・・今回も新幹線とまったけど・・・ 絶対行きたいと思っていきました。

飯能市に何しにいったかというと企業視察です。

私が参加している情熱経営実践研究会に参加している企業様で、調剤薬局から様々な事業を展開し、地域に根差した企業経営をされている「ヴェルペンファルマ」様を視察に行きたかったからです。

交通手段が限られているので、1.5日間そのほかにも見学していたのですが、私がみたかったのはこの企業。 地域密着型総合サービス業とでもいうのでしょうか?

調剤薬局、障がい者支援サービス、お弁当宅配、訪問マッサージ、福祉支援センター、包括支援センター、レストラン(就労支援型)、お持ち帰り用パン屋さんなど展開しています。

全て異なる業種に見えるのですが・・・すべての事業がつながっていて、飯能市の困った方に手が届くようなサービスを行っている企業です。

特に、パン、レストランを見ると、コロナ禍ですので非常に苦労はされているのだと思うのですが、働くスタッフ(障害のある方も)イキイキ働いていました。

飯能市という決して大きくない町で地域に密着した事業を行っているヴェルペン様を勉強できたのがすごくよかったです。夜行バスで行ったかいがありました。

スタッフがみんなイキイキして働いているのは何だろうと思いました。

http://welpen.jp/

社員の福利厚生がいいから? 社歌があるから?ヴェルペン音頭(踊り)があるから?さらに、ヴェルペン祭りなどイベントしているから一体感があるから?

いろいろ理由はあると思うのですが・・・ やっぱり企業経営の理念が明確で、それを細やかなところで経営者が伝え続けているからだと感じました。

ヴェルペン様の企業理念は「笑顔・感動・創業企業」ほっとカンパニーです。

企業ビジョンも明確なので、スタッフの方々も一見突拍子もないような事業展開でもつながっているというのがわかるのかもしれません。

世嬉の一も地域密着企業としてはすごく参考になると思っていましたが・・・心の奥底にズーンとなにかくるような企業でした。 非常にいい学びでした。

平泉のカフェをそのような場にしたいとリニューアルを考えていたのですが、もっと企業の根幹から作り替えていかねばと思いました。

そのほか、Oh!!(発酵テーマパーク)、角川文庫の角川武蔵のミュージアムなども見学し学びました。・・・が、ヴェルペン様が衝撃的な時間でした。

当社も経営理念、ビジョンはありますが、もっとスタッフと明確にし、共有し、進んでいかなければと思います。まずは僕の姿勢の問題かなぁとも反省しました。

  今日も世嬉の一は、企業理念、ビジョンを大切にし、元気に営業中です。

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Posted by sekinoichi at 06:44