世嬉の一酒造

蔵元だより

大吟醸 世嬉の一 720ml

カテゴリー:東日本大震災

2021年03月18日(木)

ご報告 店頭募金の寄付先 ご協力ありがとうございます。

ばっきゃ(フキノトウ)が開きました。また福寿草も花が咲き、春ですね。

気持ちの良い1日が多いです。ただ、雪で折れてしまった木をきれいに治していかなければ・・・と思う日々でもあります。

さて、ご報告です。当社の店頭で募金活動を震災以降ずっとやっており、毎年、いわて学びの希望基金に毎年寄付をしておりました。

今年も・・・と思ったのですが、結構いわて学びの希望基金には募金がかなり集まっており、100億以上になっております。
そこで、今年からもっと地元の子供たちに貢献できないかと思い、寄付先を変更させていただきました。学びの希望基金は、震災で大変なお子様の教育や生活のための基金でしたが、今回から一関に住むお子様の生活や教育のためにと思い、児童福祉施設 藤の園様に寄付することにしました。

http://fujinosono.or.jp/fujino_en_index.html

店頭で皆様から寄付いただいた金額+αで 70,806円を昨日寄付いたしましたのでご報告します。

また、ブログ上で大変恐縮ですが、寄付にご協力いただいたお客様本当にありがとうございます。

今後もこのような活動は続けていきたいと思いますので、何卒よろしくお願いします。

(すみません・・・本来なら、よくマスコミに出るように、目録?現金をもって藤の園さんに持っていて手渡しなのでしょうが・・・金額も大きくなく、また大げさにしたくないので、振込の形をとっています。事前に藤の園様にも了解をとって振り込みの形にしました。よろしくご了承ください。)

今日も世嬉の一は、地域の人と共に元気に営業中です。



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福寿草


Posted by sekinoichi at 05:18

2021年03月11日(木)

震災から10年、今思う事・・・ご縁に感謝、全てにありがとうござます。

震災から10年 手紙1
震災から10年 手紙2
震災から10年 手紙3
震災から10年 手紙4
震災から10年 手紙5
震災から10年 手紙6
震災から10年 手紙7

震災から10年、今思う事・・・ご縁に感謝

拝啓 残雪の下からフキノトウが芽をだし、梅の蕾も少しづつ大きくなってきています。朝の突き刺さるような冷気もなくなり、私たちの地域も春に近づいております。

皆様におかれましては、お健やかにお過ごしのことと思います。日ごろから世嬉の一をご支援ご愛顧いただき本当にありがとうございます。

さて、2011年3月11日からあっという間に10年が経ちました。私にとってはついこの間のような気がしますが、当時2歳だった娘に震災の思い出を聞くと違うようです。家族で蝋燭の下で輪になって食事をしていたことが楽しかった思い出として残っており、震災時の恐怖などは忘れているようです。その娘も来週には小学校の卒業を迎えます。

震災時に2歳だった娘はふきのとうを河原からとり、みんなの炊き出しの準備中

震災時、第一線で働いていた父母も世嬉の一を引退し、真っ白な髪の毛にかわり、孫のことで一喜一憂しております。

震災から2か月取材の際に撮影された家族の写真。

崩れていた石壁もヒビだらけの土蔵の白壁も、傾いていた大蔵も今は、100年前から変化がなかったようにたたずんでいます。 

 震災時にこの会社はどうなるだろうと不安でいっぱいだった私も、未来を見据え、スタッフと共に前に進めています。

この10年間を振り返ると、一時苦しかったかもしれませんが、幸せな日々を過ごせたと思います。様々な出来事に感謝の気持ちが次から次へと湧いてきます。

常にお客様から支えらていることを感じることができた日々でした。直接来られるお客様との会話、お手紙を送っていただくお客様、SNSなどにコメントを書いていただけたお客様のおかげです。この常にだれかとつながりを持てているという実感があってこそ、震災時の一種の孤独感は全く感じず、多くの皆様に支えられているという温かさを感じる日々でした。

さらに、お客様に紹介していただいた沢山の良い出会いをいただき、そのご縁で新しく出来た業態、商品、販売先、イベントなど、日々嬉しくなることや新しい発見がありました。皆様との絆を感じた10年間に改めて「本当にありがとうございます。」と申し上げます。

本当にありがとうございます。

震災時を思い出すとき、常に舩井幸雄先生の「過去オール善」という言葉が頭に浮かびます。「過去に起こったことをすべて肯定しなさい」という意味ですが、震災直後には全くそう思えませんでした。

しかし、この言葉をよくよくかみしめてみると、「過去オール善」という意味は、未来の自分から見て「過去にこのことがあったから、”今”があると思える行動をする」、すなわち「今」という時間を大切にすることが大事だということだと分かりました。

現在は、コロナウィルスの影響で当社もなかなか厳しい情勢ではありますが、この「過去オール善」という言葉をかみしめ、10年後に今を感謝できるようにしたいと思っています。また、震災時とは違って、10年間の皆様とのかかわりの経験が、やる気と希望を充実させてくれています。(少しやせ我慢でもありますが・・・)

世嬉の一は、まだまだ成熟していない会社です。その分チャレンジ精神が旺盛で今後も新しいことにチャレンジしていきます。重ねてこの10年間の皆様とのご縁に感謝いたし、御礼申し上げます。本当にありがとうございます。今後ともなにとぞよろしくお願いし致します。

敬具 

令和3年3月11日

世嬉の一酒造株式会社

代表取締役社長 佐藤 航

震災時にレストランの前で炊き出しして食事をした風景


Posted by sekinoichi at 08:22

2021年03月01日(月)

震災10年目、東北魂ビールプロジェクト「ありがとう10年エール」を醸造しました。

本日から3月ですね。今年の3月は特別な思いで迎えました。震災から2か月たった5月に取材を受けた時の写真です。
2011年5月に次女が生まれ、会社を倒産させないよう努力しつつも、家族を養わなければと奮闘していた時期です。その娘ももう10歳、小学生です。上の子は4月から中学生です。
この10年間いろいろあったなぁと感慨深くなります。

さて、この時期に東北魂ビールプロジェクトの活動を行っております。
東北魂ビール プロジェクトとは・・・
東北のクラフトビールのブルワーが集まり、世界に通用するビール造りをするために技術研鑽し、お互いに高め合うプロジェクトです。 プロジェクトの結果として毎年数本の仕込みを行います。
ただし、今回コロナ禍ということもあり集まることができませんでした。
そんな中震災から10年という節目に、多くのお客様に感謝の気持ちを込めて、東北6県の11のブルワリーが『地元の米』、『ホップ』を使用し、それぞれのブルワリーの自信のあるビールを醸造することにしました。
今回、3月11日に向けて、11社のブルワリーから限定にはなりますが、東北魂ビールプロジェクトビールを出荷いたします。
いわて蔵ビールも東北魂ビール「ありがとう10年エール」を発売します。

東北魂ビールプロジェクトは、2012年11月にスタートしました。
震災で、多くのご支援いただいたお客様、ファンの方々になにかできることがないかと、当時おなじく支援を多く受けていた福島県 福島路ビールさんと秋田県あくらビールさん(あくらビールさんは、ブルワリーは大丈夫でしたが、醸造長の長谷川さんのご両親が宮城県気仙沼で被害が大きかったのです)

この3社で集まり、ぼくらがお返しできることは、ビールの品質をあげることしかないと、勉強会をスタートしました。お互いの経験や知識をオープンし、本音で語る勉強会です。それが東北魂ビールプロジェクトのスタートでした。

最初は小さい集まりだったのですが、徐々に仲間が増え、またキリンビール仙台工場様からも協力を頂き、経験と知識だけでなく、技術共有や分析など様々な活動が行うことができました。

同じく被災した熊本県震災被害へのチャリティーイベントなども行うことができました。

コロナ直前の2019年の活動の際には、東北6県のブルワリー13社とキリンビール仙台工場様、スプリングバレーブルワリー様も参加し、この地域でとれるホップを活用し、地域全体が美味しいビールを提供できる地域になるようさらに活発になりました。

今回、コロナ禍でもあり、各ブルワリーが集まることができないという中で、何かできないか・・・とミーティングを行い、各社で共通条件をつけながらも東北11社で10年目節目のビールを醸造して3月4日にリリースしようと決めました。

クラフトビールはやはり地域に根差す存在なので、共通項として、地域の自然に育まれた「お米」と東北で育ったホップ「IBUKI」を使用し、あとは各ブルワリーの創造性で醸造することになりました。

いわて蔵ビールも遠野産ホップ「IBUKI」陸前高田産「たかたのゆめ」そして自家採取した酵母を使用して醸造しました。

結果として「ありがとう10年エール」の香・味りは、複雑で味わい深くなりました。
遠野産ホップIBUKIを中心としたホップの柑橘系を思わせる香りと自然酵母由来の奥深い香り、そして麦芽の香りが重なりあり、かろやかでありつつ深い味わいがあります。
 香りには、ビールを飲む際にグラスに近づけた時の上立香(うわだちか)では、柑橘系の口に入れた際の含み香(ふくみか)には、酵母由来の香りと麦芽の旨味が重なり複雑な味わいになります。

そして、震災10年目で共通ロゴができました。

第14回目になる東北魂ビールプロジェクト、初めて共通のロゴ『東北魂ビールプロジェクト』のロゴが完成しました。 私たちの勉強会「東北魂ビールプロジェクト」は、今まで共通のロゴなどを持っておりませんでした。 震災から10年たって、このプロジェクトに参加するブルワリーのシンボルとなる共通ロゴがほしいと考えておりました。
 その際に、この活動を外からずっと見てきていただき、かつデザイナーであり、クラフトビール雑誌「TRANSPORTER』を発刊している 田嶋伸浩様のご好意でロゴが完成し、今回のプロジェクトから使用しています。 私たちの熱い思いを組んでいただき、それを形にしていただいたこのロゴを大切に、東北によいビール文化が根付くよう努力していきます。
 田嶋様本当にありがとうございます。 ぜひ皆様にもこのロゴに込められた東北の思いを飲んでいただければ幸いです。

東北魂ビールは今回「ありがとう」の気持ちを込めて、3月4日に販売開始します。
今回、3000本限定になりますが、よかったら岩手からの復興の証としてよい酔いの時間を楽しんでください。

こちらのサイトでご予約を受け付け始めました。

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この10年間どうでしたか?と聞かれたら・・・
本当にしんどい思いや逃げたい気持ちも出た時もありますが、総じてとても良い時間でした。特にこの10年本当によい出会いをいただいた時期だと思います。

3月はその感謝をかみしめつつ、1日1日を大切に過ごしたいと思います。

世嬉の一は今日も「ありがとう」の気持ちで元気に営業中です。

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Posted by sekinoichi at 11:48

2021年02月04日(木)

10年目のありがとうに向けて東北魂ビールプロジェクト始動!

2月3日は、立春・・・だけど今日の世嬉の一は大雪です。雪が降ると音が吸収されて静かでいいですね。

さて、今年は震災から10年目。私たちも無事に10年目を来月に迎えることができます。私たちは2012年から東北魂ビールプロジェクト、東北の他のビール会社と共に実施してきました。

東北魂ビールプロジェクトとは、震災の際に当社も多くの人たちから援助をもらい、今のように営業できるように復活しました。ただ、本当にドタバタしており、ご恩やご縁を頂いた方々に報いることをきちんとできませんでした。
そこで、被災した3ブルワリー(秋田あくらビール、福島路ビール、いわて蔵ビール)が集まり、それぞれの技術、ノウハウ、経験を出し合い、ビールの品質を向上させることで恩返ししようと始まったプロジェクトです。

年を追うごとに参加するブルワリーが増え、現在13社が参加しています。
そして、東北魂ビールプロジェクトの意義も、品質を向上して恩返しだけでなく、地域をビールの美味しい地域にすること、各ブルワリーが世界品質のビールになることを目指して努力しております。

今回、震災から10年目ということで、何か形として表現できないか・・・東北のブルワリーたちと話しました。その中で、3.11に向けて12社のブルワリーで一斉に感謝の気持ちをこめてそれぞれのビールを提供します。醸造の共通項は1つです。地域のお米と東北のホップを使用したビール。今東北の各ブルワリーが一斉に醸造し始めました!

当社でも陸前高田のお米「たかたのゆめ」を使用し、遠野産ホップIBUKIを使用し、一関の干し柿から採取した酵母を使用して醸造しました。

たかたのゆめ(お米)を糖化している風景です。

麦芽を糖化しています。

さて、どんなビールになるでしょうか?すごく楽しみです。

ぜひお待ちください。

10年分の感謝を込めて、美味しいビールになるように努力します。

今日も世嬉の一は元気に営業中です。

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今年もショコラスタウト(チョコレートビール)醸造しました。

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Posted by sekinoichi at 05:06

2020年03月27日(金)

今はちょと我慢して一休みする時期、その間に世嬉の一スタッフは会社を磨き続けます。

今朝の世嬉の一酒造の裏手の磐井川の風景です。肉眼で見るともっときれいです。川が流れ、風が吹き、青い草の香りがします。

そして雪山がきれいです。岩手県(一関)からは、須川岳といいます。秋田、宮城県にもまたがっている山で、向こうでは栗駒山といいます。

東日本大震災の前、岩手宮城内陸地震の震源地でもあります。

山は雄大で素敵ですね。

さて、東京では花見自粛、外出自粛が叫ばれていますね。

震災の際も当時の都知事がなんでも自粛といったことに対し、南部美人の久慈社長が自粛することでかえって東北は危機になるとテレビで話してくれ、東北復興需要がありました。あれで当社は倒産から免れたと本当に僕は感謝しています。

しかし、今回の新型ウィルスは東日本大震災と違い、我慢が必要だと思います。自粛のほうが正しいと思っています。

当社も正直、いま大変厳しい状況ですが、今が大変だからと言って未来を犠牲にしたらいけないと思います。今が大変な分、お互いに協力し、知恵をしぼって乗り越えて、数か月の素敵な未来を見つけていくことが大切なのかなぁと思います。
私の以前の職場の師、舩井幸雄先生が過去オール善という言葉をよく言われていました。「過去に起こったことをすべて肯定していきなさい」と。よく意味が理解できなった私に、当時の先輩は、過去オール善の意味は「未来の自分から見て過去の出来事のおかげでよくなったという生き方を今しなさい」という意味だと教えてくれました。

実は、昨日東北魂ビールプロジェクトを4月に開催にあたり、開催可否を一部メンバーと話し合いました。今回は青森のブルワリーにお邪魔して行う予定でした。東北ではあまりコロナ患者はでていないし、青森もすくない、また、集まっても20名程度・・・開催してもいいという判断もありました。

でもそのちょっとを我慢できず、未来を犠牲にしてはいけないと思い、延期にしました。いろいろなこと経済のこと、経営のことを考えるとやるという判断もあるでしょう。でもどっかもっと心の奥、それをやることに楽しいか、後ろめたさはないかで判断すると・・・どうでしょう。

やるからにはみんなに応援されて笑顔でやりたい。だから延期しました。また、世嬉の一も少ないながら40名くらいのスタッフを抱えています。半分以上がレストラン、直売所のスタッフで、ほぼ仕事がありません。でも今は我慢。みんなで、別な仕事をしてでも未来にむかっていきたいと思います。

なんか須川岳を見ているととても気持ちよくなります。

資金繰りを悩むのは社長(私)。スタッフたちには、コロナが収まったときにお客様を喜んでもらえるようどうしたらいいか悩んでもらいます。そして、スタッフたちは、今日も大掃除、きれいな世嬉の一にするために、汗水ながしています。コロナが終わったときに、磨かれた世嬉の一になるために・・・さらに、明日は売店のリニューアル、そして新商品開発。どんどんスタッフたちに動いてもらいます。

「仕事がないから家で休んで」というのはその人の人生がよい人生になるとは思いません。震災で学んでいます。「仕事こそ生きがい」とうちのスタッフに思ってほしい。よい未来のために、世嬉の一は今はちょっとだけ足踏みする時間にしようと思います。

今日も世嬉の一はいい風が吹いて元気に営業中です。

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Posted by sekinoichi at 07:10