2017年11月21日(火)
2つの工事・・・悩みながら進んでいます。
稲を刈った田んぼに雪が積もっています。すっかり冬景色ですが、又一回温かくなるだろうなぁと思っています。
今は、冬になった景色を楽しみに見ております。寒いですが・・・
今世嬉の一では世嬉の一にとって大きな工事が2つ進んでいます。
1つは、堤防の拡張工事に伴い、裏駐車場の移動とビール工場棟の増設です。
ビール工場の脇にあった蒸留塔も一度撤去し、平らな状態です。
さらに、埋設されていたガス管、電気栓、排水管など、震災でかなり動いていたので、掘り起こし、
今後メンテナンスしやすいように地下から地上に出します。
なんせ、何十年前の工事のガス管などあるので、チェックが大変です。
昨日も打ち合わせしたのですが、修理の部分でいうと、浄化槽(震災で亀裂が入っているかもしれないからチェックしよう・・・)とか、様々な課題が出ます。
でも、未来に向けてこんな工場にしようとか、今こんな課題があるからこの工事でクリアにしようなど、
結構夢のつまった話なので、ハードですがワクワクした気分になります。
もう一つは、震災で傾いた大蔵の補修工事。
これは頭が痛い・・・ビール工場工事だと、さらに増産して今お客様に迷惑をかけている分をとか・・・
輸出を増やしてとか・・・夢があるのですが。
こちらは、借金して補修、修理なのです。完成したところで、元に戻ったというだけで会社が成長するわけではありません。スタッフにまた迷惑をかけてしまうなぁとちょっと頭が痛い工事です。
ただ、私が経営を継ぐ時に、先代から「蔵のある風景は街の財産だから、借金しても残せるのなら残すように・・・」というのが約束。結構、震災後の蔵修復の借入金が膨大ですね・・・・
そうなると・・・なかなか夢をもって取り組むことができなくなっていました。
以前の会社で上司が「22世紀の子供たちへ」という話をよくしていました。
自分の子供だけでなく100年後の子供のために何ができるかという話でした。
聞いているときは感動していましたが、実際にやるとなるとなかなか難しいですね。これが今の私のレベルだなぁと思い、取り組んでいます。
そんな中、この蔵の修復工事に携わってくれている文化財保護の建築の先生方が土づくりのワークショップを9月14日(土)やってくれました。
ちょっと繁忙期で私たちが携わることができなかったので残念ですが、座敷わらしちゃん達が参加してくれました。
土蔵の土づくりです。
実は、土蔵の土は1年以上かかります。練って熟成させなければならないのです。
座敷童ちゃん達は、じいじ(先代)と一緒に、蔵を補修する土づくりをしています。
私は明日生きるために、レストランで接客をしていました。
なんかそれでいいと思いました。
次世代の子供たちが、この蔵を守ってきた人たちと一緒に作業をする。今の私たちは明日のために働く。
将来子供たちが大きくなって、まだ立っている蔵を見たときに、土づくりをやたなぁとか、この風景見て高校いったなぁと思ってくれれば・・・(お父さんなやんでいたなぁも思い出すかも(笑))
世嬉の一は来年でちょうど創業100年、蔵も100歳。次の100年に向けて私ができることはやっていくしかないですね。
震災の際にある経営者から送ってもらった二宮尊徳さんの詩を机の上に置いています。
何か悩むとこれを読んで元気を出しています。
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遠きをはかる者は富み
近くをはかる者は貧す
それ遠きをはかる者は百年のために
杉苗を植う
まして春巻きて秋実る物においてをや
故に富有なり
近くをはかる者は
春植えて秋実物をも尚通しとして植えず
唯眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取る事のみ眼につく
故に貧す
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富むというのは、お金持ちというより心の豊かさだと思っています。
きっと蔵のある街並みは100年後にはさらに一関の人の心の豊かさに寄与してくれると思い頑張ります。
今日も世嬉の一は二つの大きな工事と社長の揺れる心(笑)で元気に頑張っています。
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Posted by sekinoichi at 09:46