2016年09月09日(金)
静岡地ビール祭りに行って感じた事。地ビール業界のすばらしさ?
雄大な富士山を見上げることができる、静岡県清水で静岡地ビールフェスティバルが開催されました。
静岡で初めて開催される地ビールフェスティバル。
静岡市にある葵ブルーイングのヘッドブルワー(醸造長)の高さんの呼びかけで、全国からブルワリー(地ビール会社)が10社集まり、静岡県の10社と合わさり、計20社で開催されました。
私たちのブースの後ろには、ヨットハーバーがあり、その向こうには富士山がそびえたっています。夕方になるとボラが飛び跳ねておりました。夜になるとライトアップ!本当に素敵な場所でイベントが開催されました。
(ヨットハーバーの水がきれいです。台風が来ると言われていましたが晴天のイベントでした)
(オープン前から結構お客様がきていました)
初めてのイベントとは思えない盛り上がりで、静岡の人だけでなく、東京や大阪、名古屋などからも多くのお客様がこられました。
私たちのビールも完売し大盛況!とくにこのイベントは一人ひとりのお客様と会話する機会も多く楽しいひと時でした。
イベントが終わると毎日、ブルワー仲間やボランティアの方々と打ち上げをしておりました。
その中で、二つの事を多く聞かれました。
まず1つ目は、『ブルワーの皆さんは盛り上げるのが上手ですね!話が上手ですね~』ということと
(ブルワー紹介で、各県のブルワーは自社のPRをしつつ、場を盛り上げます!)
2つ目に『このクラフトビールブームはいつまで続きますかね~?』
この2つがよく聞かれました。
実はこの点について少し考えを整理したのでお伝えしますね。
そしてマイクで盛り上げるのが上手とクラフトビールブームがちょっとだけ関係あります。
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まずは、一つ目の『ブルワーはマイクパフォーマンスが上手ですね』ということですが・・・
よく考えると、このようなビールイベントって全国ですごく多くなったのです。
そして私たちがビールイベントで話すことが多いのです。自分たちのビールの特徴、取り組みに関してなどなど・・・
全国で多く、そして何より、長年鍛えられていったのです。
それは、地ビールの歴史は、1994年に地ビール解禁になり第一次地ビールブームそしてすぐに地ビールブームがさり、
2010年ころまで、毎年どこかの地ビール会社がつぶれるというくらい大変な時期でした。
この時期に地ビールは「くさい、高い、まずい」と言われ続けておりました。
確かにそのような一面もあったかもしれませんが、それぞれ生き残ったビール会社は自分たちの商品に自信と「くさい、高い、まずい」という誤解を解きたい一心で、様々なイベントに出ては、自分たちのビールの良さを伝える努力をし続けました。
特にこの時期は販路もすくなかったので、イベントや老舗のビアバー様とお客様との交流会で伝えるのが唯一の誤解を正す機会でした。
それが約10年以上!・・・いつの間にか伝える力がついてきたのだと思います。
まだまだ、クラフトビール業界は誤解されたり、おいしくないと思われている方も多いかもしれませんが、
これからも伝え続けようと思います。
特に10年、20年とビール造りをおこなっている会社のスタッフは、とにかくマイクをもったら話さないですよ~
そして私たちのビールの良さ、すばらしさを伝え続けていきたいと思います。
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2つ目のクラフトビールブームはどこまで続きますか?という質問ですが・・・
私は一般的なブームはあと1年~2年、長くつづいてもオリンピックまでかなぁ・・・と思っています。
でも誤解しないでください。このクラフトビールブームというのは、現在、今まで地ビールをご提供されていなかったスーパーさんやコンビニ、居酒屋などでのブームだから提供し始めた店舗が少なくなるということで、昔からの徐々に広がっているクラフトビールファンはこれからも増えていくだろうと思っています。
だから、私たちは正直ブームが去ろうが伸びようがあまり関係なく取り組んでいます。
伝え続けていることで、ブームに関係ないファンが増えてきているからです。
一方でブームに左右されるのではなく、お客様の期待に応えられるようなビール造りを日々考えています。
(いわて蔵ビールブースを手伝ってくれたファンの方々。ありがとうございます!)
(ボランティアさんやブルワー仲間たちと夜中まで飲んでいます。)
(静岡からちょっと離れたビールバー。昔から提供してくれるバーには足も運びます)
私たちが夜遅くまで、必要であれば真夜中までボランティアさんやファンの人と一緒に飲むには理由があります。
それは、
1.楽しいから
2.感謝したいから(ボランティアの方々ファンの方々は自分たちの時間を使って手伝いやビールを飲んできてくれています。そして何より私たちの会社、業界に興味を持ってくれます。情報もくれます。ゆっくり話したくなります)
3.やはり様々伝えたいから・・・
という事でしょうか・・・・私もついつい夜遅くまで飲んでしまいます。
私たちのような考えをもったブルワリー日本にたくさんあります。
だから、ブームがたとえ去ったとしてもそれぞれのブルワリーが自分たちの造る姿勢と考えを様々な方法で伝え、
ファンを大切にしていったら、クラフトビール会社ってそんなに左右されないのかなぁ・・・
現在、いわて蔵ビールも工場が手狭です。経営者としては、大量販売に切り替えられるよう大きくするのが本当なのですが、
私や孝紀工場長がコントロールできる量ってどのくらいだろうと考えています。
大きくなって大量に買ってもらわないといけなくなるとクラフトビールとして自由なモノづくりができなくなりそうです。
常に適正規模って悩みながら考えています。
色々と考えさせられた静岡イベントでした。
晴天の静岡、徳川家康像を見たり、富士山を眺めたり、そして多くのあたたかいお客様と話して有意義な日々でした。
今日も世嬉の一スタッフは未来を考え元気に営業中です。
Posted by sekinoichi at 10:19